cource map 6-2.えりもユースへ

1992-8-16 (日) あめのちくもり [最高 17 度]

広尾 - 庶野 - えりも Y.H.
900 1140 1230


今朝も雨だけれど、大きな木が雨よけになりテントの撤収が楽です。まずは襟裳岬攻略のために広尾の雑貨屋で食料をしこみます。すこし暗くて狭い店内をのぞくと、なんとすでにが 1 Kg の小袋になって売られています。店のおばさんいわく、

「自転車のおにーさんがみんなそう言うもんですからね〜」

だそうです。お手数かけてスイマセン。また、

切り干し大根買っていくの、えらいねぇ。これは日にあたっているから栄養があるよ。」とのこと。

切り干し大根は軽いし、水に戻せば何にでもあうので便利です。でも、最近のものは乾燥機で作っているでしょうから栄養があるのでしょうか? バナナ 10 本 180 円が安いです。買ったのはいいけど積みきれない。2 本たべてから自転車のバッグにいろいろと押し込んで出発します。

黄金道路をえりも岬へ。

To Erimo それでは少し乾燥食品について私の利用法をお話します。

ひじきも日本古来の伝統的乾燥食品ですが、軽くコンパクトで、水で戻せば何にでもあいます。野菜とひじきと切干し大根で煮物をしたり、いため物にまぜたりします。袋に書いてある調理例を読むと、水で戻してサラダにあえてもいいようです。ひじきのいいところはもう一つあって、乾燥ひじきをこさじ 2 杯も料理してたべれば翌日必ず、んこが出ます。注意する点は、たいていの乾燥ひじきは砂が混じっているので、砂をうまく水に沈ませたり漉したりしないと、口のなかでジャリジャリします。

伝統的乾燥食品は長い歴史の間生き残ってきただけあってその地方のものならどこででも手に入るし、軽く、保存も簡単で、なおかつ栄養価が高いというスグレモノです。他にはこうや豆腐干ししいたけなどがあります。こうや豆腐は多少の湿気ならふくらみませんし、短時間の調理でよく味がしみこんでくれるので楽です。干ししいたけは若干高価ですが味がよく、だしが出ます。

登山用の高機能な乾燥食品は高価ですし、手に入りにくいので伝統的乾燥食品を 1,2 種類バッグの隅につっこんでおいて食事に多少の変化をつけるようにしておいたのでなかなか重宝です。

広尾の町をはずれて海に向かってくだり始めると、黄金道路です。岬の方を眺めると延々と数 10 Km は断崖絶壁がつらなって、遠く先の方がかすんで見えます。このとんでもね〜絶壁の下にずっと道がついているのかと思うとたしかに頭がさがります。

黄金道路はこのような崖にあり水面が近い。
Erimo GAKE 黄金道路の路面は海面から 4 〜 5 m の高さにあります。話によると風の強い日は道路を走っていても波をかぶることがあるそうですが、今日は北東風の追い風のため潮をかぶるようなことはありません。長節沼では潮風で髪の毛がべっとりしていたのを思い出すと、今日はうそのようです。

海岸にうちあげられたコンブやコンブとりをしている風景をみたり、実際に海におりてコンブを拾ってみます。コンブは以外に長く、10 m ちかいのもありました。ひろわれずに打ち上げられたままのコンブの山の中は小さな虫がいっぱいで、独特の臭いを放っています。

こんなふうにチンタラと走っていたらマウンテンバイクに抜かされてしまいました。すかさずそのテールにはりついてあとに続きました。しかし、帯広でも 4 台マウンテンを抜きましたが、このマウンテンも遅い。私のランドナーではこがなくても進むところを彼はこがなければならず、彼がこぐのをやめると私はブレーキをかけなければならない。ああ、ランドナーはなんて正しい旅の道具なんだろう! 前を行くマウンテンが休憩をとったので私は強い北東の追い風に乗って黄金道路をとばします。ふぉっふぉっふぉっふぉ。私の自転車はキャンピングの重装備ですが、追い風のためトップギアでガンガン進むほどです。小さなカーブを曲がるたびに自転車を傾けると心地よい重量感が足裏に伝わります。そして切り立った断崖や小さな入り江に密集した漁村がいくつも私の横を通りすぎていきました。

庶野の展望台につくころにはあとから私のテールにくっついていた別のマウンテンもちぎれていました。展望台はものすごい強風で、潮風よけにかぶっていた帽子がふきとばされそうです。あとから私にくっついていたマウンテンが到着して「すごい体力ですね」「うん、タイヤがちがうからね」と一言かわし、ほめてくれたのでバナナをわけてやります (実は私の荷物があまりに多くてこぼれそうになって困っていた)。

えりも岬は近い。草原がひろがる。

To ERIMO 襟裳岬への道道 (どうどう) はたいへん美しい風景。長い緩やかな弓状のカーブをかいた砂浜 (百人浜 *4) には人影はなく、ハイマツクマザサの草原と、湿原のなかには小さな池・沼がちりばめられ、まるでどこかの山の上をさまよい歩いているかのようです。右手になだらかに続く笹の丘も高山を感じさせます。そういえば、広尾をすぎてからは海に流れ込むどの川もたいへんきれいです。それまではどの川もドロだらけのきたない川ばかり。広尾の雑貨屋のおじさんいわく、広尾川は日本で 2 番目にきれいな川だそうです。ナットク。

海岸地帯には植林されたマツがたくさんありますが、すべての松は一本づつ立派な防風柵に守られています。どうもここでは植林事業への力のいれかたが違うようです。百人浜キャンプ場への道を分けると、えりも Y.H. が道端に現われます。富良野で初めて会い、帯広で再会した富山大のおさげのクロス (*5)の人が「えりもユースはいごこちがいい」と言っていたのを思い出したのでちょっとのぞいてみます。

併設の喫茶店・エリモリアでまずはシーフードカレーミルクつきを食べてみます。ミルクはうまいです。テーブルが広いので記録を書くことにしました。しばらくしてコーヒーをたのみましたが、一昔前のファーストフードのコーヒーのようにうすいのでこれは失敗。

しかし、店の雰囲気はなかなかよいです。店内はログハウス風のこぎれいな作りですが私のような疲れ切った旅行者にも親切にしてくれます。書かずにたまっている記録を書くのに疲れたので宿泊の手続きをすることにします。いっしょにユースの入会手続きもしました。そうです、初めてのユース体験がえりもユースになろうとは ... 。

ユースの庭では女ライダー 2 人組の見送りをしています。今は亡き尾崎豊の歌を大声で歌ったりして、宿泊客も含めて総勢 30 人でお見送りです。私も今まではそういう見送り (礼文や利尻の) を傍観していたわけですが、とうとう自分もいっしょになってやってしまいました。

ユースの風力発電用の風車が静かにくるくると回っていました。今日の風力は 7 ぐらいだろうとペアレントさん (ユースホステルのオーナー) が言います。えりもは一年を通して風が多いので風力発電に向いているそうです。

今晩の歌 ('70 年代モノ) と踊りを説明するヘルパーさん
Dancing Helper 夜のミーティングではお客さんを集めて 8 時ごろから 10 時まで歌って踊ってとびはねます。突然踊らされるお客さんも恥ずかしいかもしれませんが、そういう客をなんだかんだと踊らせてしまうヘルパーさんたちのパワーにも驚きます。とにかく、北海道 3 バカユース (*6) の名に恥じないりっぱなバカぶりです。強制ではないのでミーティングに出なくても宿泊できますが、話のタネにぜひバカになることをおすすめします。

10 月 10 日には大阪城公園で「えりもユース大会」というイベントをやるそうです。ずばり、えりもユースでやるようなバカ騒ぎをそのまま昼間からシラフでやるそうです。私は大阪城公園がどういうところなのか知らないのですが、大阪周辺から来た人にこのことを話すと、まちがいなく大笑いしていました。



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