cource map 3-1. 花の富良野岳から層雲峡へ


1992-8-1 (土) くもりときどきひがさす



kamihurano 今朝は上富良野駅前の公園にできた臨時テント村 (!?) で目ざめます。出発準備はとっくにできたのですが空がくもっているせいかなんとなく出発できず、同宿していたサイクリストたちと雑談が始まってしまいます。それでは記念撮影をしようとマウンテンの人が三脚を取り出したのですが、これが本格的なぶっとい三脚で、みんなで驚きます。もちろんカメラはオートフォーカスの一眼レフ、望遠つきです。このほかにもキャンプ道具一式があるのですから、それで 1 日 200 Km を 2 日連続で走ったとは!

今日は十勝岳の中腹にある白銀荘のキャンプ場に向かいます。はじめはたらたらと登りながら牧場や自衛隊の演習場の間をぬけていきます。しばらくして10 数 % の急坂を登りはじめると狭いつづら折れが始まり、後ろにひっくりかえりそうな急登になります。舗装されてはいるのですが、あまりの急坂のためか、路面がダートのように細かく波うっています。ただでさえ傾斜がきついのに路面が波打っているのでハンドルをとられてフラつきますが、カーブを1つ曲っては休み、とにかく自転車に乗って登りきります。ちょうど、改修のために測量が行われていました。後で聞いた話では、8 月中旬からこの道路の改修工事が始まったそうです。

とある山荘がある T 字路を左に曲り、晴れていれば眺めがよさそうな高度のある尾根を越えると吹上温泉につきます。ここは明治のころから始められた温泉宿で、昭和 18 年に廃業するまでは建物があったそうです。その後、1989 年の十勝岳の噴火で湯温が上がり、温泉ブームに乗って客が増えたため露天風呂として整備されたのだとか。山上の森にたたずむ一軒の温泉宿を目にうかべましたが、お風呂をのぞいてみると人が多いのでまずキャンプ場にいくことにします。

上富良野から上がる場合、白銀荘までの道はすべて舗装されています。白銀荘から先、望岳台までがダートになります。舗装されている白銀荘までの道は冬でも除雪されるので一般の自動車で上がってこれるそうです。ちなみに、富良野では冬期、数メートルの雪が積もるそうです。

テントをたててから吹上温泉に歩いて行ってみると、5,6 人は入っています。しかし、しばらくすると地元の人らしき老人たちが大挙して来たので、私はちょっとつかっただけで退却します。といってもお湯が熱いのでそう長くは入っていられませんが。

さらに上にある十勝岳温泉のほうを偵察に行ってみます。山荘の T 字路を山の方に登りはじめると、13 〜 14 % の坂がまた連続して現れます。こちらは最近舗装されたようで、波をうっていないだけまだマシですが 13 〜 14 % の傾斜を示す道路標識を見たのは初めてです (かなりの傾斜です)。うへ〜。

ヨツバシオガマ Iwahige

このあたりの山の登山口にあたる十勝岳温泉の駐車場には独協大学のワンゲルなどがいくつかのテントを張っていました。天候が悪いのでここで様子をみているとのこと。確かに霧雨が降っていて濡れるし、T シャツではがたがた震えるほど寒い。あまりに寒いのでとっとと下りて吹上温泉に行きますが、やはりまだ混んでいるのでキャンプ場にもどります。

白銀荘キャンプ場に近づくと、キャンプ場の横の笹ヤブから湯気が上がっているのが見えました。行ってみると小さいですが岩をくりぬいて作った露天風呂があるではないですか。吹上温泉は混んでいましたが、ここには人はだれもいません。ぬるめですが、お湯は量が多くてきれいです。岩をくりぬいた湯船が全体に赤茶色をしているので試しにお湯をなめてみると血の味がします。どうやら温泉の鉄分のせいでついた湯船の鉄錆び色が一見汚く見えるため、あまり人が寄りつかないようです。また、あとで聞いた話では、この露天風呂は白銀荘の内湯と同じ源泉だそうです。ということでさっそく一人で入ってみます。ちょうど西側がひらけているので晴れれば夕日が見れそうです。しかし夜になっても雲が切れることはなく、ぬるま湯だからと夕日を見るまでお湯につかってねばろうとしていたら、すっかりうだってしまいました。

夕方、白銀荘キャンプ場に通じる登山道からズブ濡れになった登山者が震えながら下りてきました。聞いてみると稜線は石が飛んでくるほどの強風と寒さで、十勝連峰の縦走を途中できりあげてきたとのこと。ラジオの天気予報では低温注意報が出ていました。


1992-8-2 (日) くもり

タカネナナカマド
Iwahige

今日も寒いのでまず笹ヤブの露天風呂で一人静かに朝風呂に入ります。それから十勝岳の登山口にあたる望岳台までいってみます。車が上がれるガレ道を自転車で少し登ってみますが、30 分も登ると霧で何も見えなくなり、1 Km ほどでおりてきました。展望台で、札幌から来た OL から「美瑛にある拓真館という写真館がいい」と聞きます。

食堂でラーメンを食べて外に出るとパトカーがきています。観光客が「今ごろ来た」と言っているので聞いてみると、稜線で凍死者がでたとのこと。73 歳の男性で、登山道で倒れていたそうです。

ハクサンイチゲ

Hakusan Ichige キャンプ場でラジオを聞いたら 4 時のニュースで凍死者のことを報じていました。「8 月なんだけどなー」と、ぶつくさ言いながらも、今日は山頂で少し展望があったという話を聞いて、明日、富良野岳に登ることにします。

でも、今日も低温注意報が出ています。(13:00 の時点で 15 度) 今日は結局、いちどたたんだテントをまたたてて、フロに 5 回入ってモヤモヤした夕日を見て終わりました。そのあと夜の 8 時ごろに吹上温泉へ、札幌から来たキャンプ大好き人間と一緒に再び吹上温泉に入りに行きますが、まっ暗闇の中にもかかわらず地元のおじさんおばさんでいっぱいでした。車で簡単にこれるようになると山の露天風呂の風情がなくなってしまうのが残念です。(コールマンのランタン (*1) を明りに持っていったら「明るいゾ」とおこられるし、マイッタマイッタ)ちなみにこのキャンプ大好き人間の方は千葉で大学を出たあと、すぐに北海道で就職するために移住してきたそうです。いまでは建設設計の仕事をしながら毎週道内各所でキャンプしているとかで、毎週行き先をどこにするかで奥さんともめるそうです。イヤハヤ。



Next Prev Index Home おたよりはこちらへ
sshida@gmail.com

Copyright (C) shida, 1992-1996