2-2. 麓郷めぐり・富良野ヘソ祭


1992-7-29 (水) くもり



ピンクに塗られた元麓郷小学校 (現公民館)

今日は Nifty@FCYCLE のまさやん (-●-●-) がおすすめの麓郷 (ろくごう) の森や小野田食堂に行ってソバを食べてくることにします。

麓郷までは道道 544 号を使います。昨日の富山大の人がジャム園と 展望台を教えてくれたのでまずはそこから。麓郷の部落を過ぎて さらに道道の坂道をゆるやかに登ると、畑にかこまれた麓郷小学校があらわれます。 校舎はなだらかな丘の中腹にあるため、小さな校庭に立つと校庭を囲む トドマツの枝の間から芦別岳 (あしべつだけ) のながめが きれいに見えます。 校舎はすべて古い木造で実にいい雰囲気です。裏には花壇がありますが、 たまねぎ、にんじん、じゃがいもといった、このへんで作られている作物が 並んでいます。花の名前が覚えられると思った私がバカでした。 「教育とはこういうもんだ」などとへんに納得しつつ さらに登ります。

さらに登ると人参の出荷工場があり、8 時前だというのに鬼のような勢いで 仕事が始まっています。この中には鳥沼キャンプ場や周辺のライダーハウス からバイトに来ている人も何人かいるはずです。


麓郷のうねる丘にひろがるタマネギ畑

出荷工場からは道がダートになります。ほどなくジャム園に着きますが まだ閉まっているのでさらに奥へと登ってみます。ジャム園から先は トドマツの森の中ですが、とんでもない急坂です。ひっくり返りそうに なりながら乗り続けていると、やがて展望台にたどり着きます。丘の上から 今来た方角が見え、いくつかの丘が折り重なっていますが、いまひとつ 期待はずれでした。少しがっかりしながらジャム園におりて戻ると、 ちょうど営業がはじまりました。

ジャム園ではその畑で採れたものを加工して色々な種類のジャムを作って いるのだそうです。ざっと 30 〜 40 種類のジャムをパンの耳につけて 試食させてくれます。コケモモジャムがおいしいので、コケモモアイスを いただくことにします。コケモモの果実が混ざったすっぱい砂糖無しの ジャムがアイスの上にのっていて、ジャムはおいしいのですが、アイスも あまり甘くなくていまいちでした。

さて帰ろうと自転車にまたがると、店の中からおじさんが「自転車のお客様!」 と呼んでいます。なんと、「自転車のお客様にはこれを差し上げております」 といって、それはそれはていねいにアメ玉を1袋!くれました。自転車旅行を していて食べ物をもらうことはありますが、こんなていねいな言葉使いや 応対をされたのは初めてで、アイスの味を忘れてうれしくなってしまいます。

"麓郷の森" という名所 (?) はクマザサの下生えにカラマツ、ダケカンバ、 ナラなどの雑木林があり、その中にテレビロケ (北の国から) に使われた 小屋がてんてんとしています。とりあえず森がきれい。ふつうは腰まで 茂ったクマザサのヤブをかきわけるのはたいへんだけど、ここには車が 通れそうなほどの広い道 (遊歩道) がついていて、快適に雑木林を 見てまわれます。しかし、人が住むには日当りが悪いかも。

ここは観光客が多くなるとやかましいので早朝 (9:00 前) が いいかもしれません。ただし、ハーブティーがおいしい喫茶店や売店の 営業は 9 時から。ここでラベンダーティーを頼み、記録書き。

ラベンダーティーはなぜかすっぱいレモンの味がする。作り方を聞いたら、 ハーブをブレンドした葉っぱにお湯をそそぎ、10 分ほどおいておくそうです。 機会があったら自分で作って飲んでみたいと思います。

典型的なヘソ踊りのスタイル



麓郷の交差点にある小野田食堂は 11 時開店なので、麓郷のライダーハウスで ゴミ燃やしをしている日本一周自転車男と雑談してヒマつぶしをします。 彼はヘソまつりに参加するためこのライダーハウスに連泊中なのですが、 同宿のライダーたちは小食なのでよく食べ物を分けてくれるから好きだとか。 今の時期、このへんのライダーハウスにいる人達はヘソまつりに出たあと、 そのまま青森のねぶた祭に行く人が多いそうです。青森まで自転車で走って 行くのはちょっと無理ですが。

小野田食堂には 11 時の開店と同時に入ります。店内の壁にはくまなく色紙が 貼ってあります。なかには、感動的なうまさを表現しようとしたソーゼツな サインや、「うまかったうまかったうまかった ...」と連呼する記念の書などが あります。しかし残念なことに私には、どうしてそこまで そのソバがうまいのかわかりませんでした。ソバを食べ終えた私はソバの修行を 積んでからまた来るぞと誓い、のれんをくぐるのでした。

麓郷の交差点からフレベツの部落の方へいく道に入ります。この道は丘陵の 間をぬって富良野方面につづいています。丘の斜面には麦、タマネギ、 ニンジン、ジャガイモ、牧草などが丘でうねうねした広大な畑にいちめんに 植えられています。ところどころ、畑の間に大型の農機具を乗り入れるための 農道が切ってあります。これに入って丘の上に登ってみると意外な風景に であえたりします。

そうして登ってみた農道の奥で、望遠レンズつきの一眼レフカメラを持った マウンテンの人に会いました。 聞いたみたところ、このへんにはテレビや CM で有名な風景がたくさん あるそうです。なかには小さな廃屋をわざわざテカテカの赤と黄色に塗りわけて いるところもあるとか。そういえば元麓郷小学校 (現在公民館) は全部ピンクに 塗られていました。そういういかにもわざとらしい塗装は別として、やっぱりキレイ だよなと、うねる丘をキョロキョロと眺めながら下っていきます。


麓郷ライダーハウスからエントリーしたライダー集団


テントにもどってからペガサスの人 (電気通信大 C.C.: 青森集合) と疲れた顔をしていたライダーを誘ってヘソまつりにでかけます。 ライダーハウスの無秩序集団に加わって叫びながら走り回ったり、 秋田大チームの後ろで正しくヘソ踊りをまねしたり、あちこちで配っている タダ酒をいただいたりします。

富良野のヘソまつりは今ではいろいろなところで行われているそうです。 あとかたづけの おじさんたちと雑談しながら聞いたところ、今でこそ何万人もの人が見物に 来ますが、20 何年か前に始めたころは市役所の前で 10 人ぐらいで、あの 「恥ずかしい踊り」 (はっきり言って ハラ踊りです) を 踊っていたそうです。現在は東京や大阪に指導員やアドバイザーが でかけているとかで、たいへん忙しそうでした。明日は旭川 (あさひかわ) でやるそうな。 をを、その横をハラに絵を書いた男どもが走っていく ... 。


1992-7-30 (木) あめときどきくもり

雨なので富良野で買い物。シュラフを買う。日高 (ひだか) 方面の調査。日高からきた東京工業大 C.C. メンバーいわく、 振内 (ふれない) は町が小さく、まとまった食料の 買い物はできないかもしれないとのこと。 幌尻岳 (ほろしりだけ) はどう行っても 標高差 1,000 m 以上を歩いて登らなければならない。うーむ。たらふく食って停滞。


1992-7-31 (金) 大雨

十勝岳 (とかちだけ)をめざすが、大雨のため上富良野 駅前公園でテント泊。横浜から仙台まで 200 km + 200 km と 2 日間で走って きたという大荷物のマウンテンの人に びっくり。彼は「箱根の旧道の峠よりきつい坂を探しに北海道に来た」という ツワモノ。

静岡大 C.C. では 30 人 + 30 人の時間差攻撃で三国峠 (みくに とうげ) を越えるという 話にびっくり。静岡大の2人と私の同じモンベルのムーンライトテント III が 3張り公園に並ぶ。でも、彼ら2人のテントは新しい型で、出入口が反対向きに 2ヶ所ある。うらやましい。やっぱりシュラフは暖かい。


モンベル・ムーンライト III 型テント


  1. 「教育とはこういうもんだ」
    "地域の実情に合わせた教育をするのは正しい" というつもりです。 ちなみに、麓郷小学校では農産物を利用したユニークな授業を 行っているとか (詳細は忘れてしまった)。

  2. ペガサス
    東京のスポーツ車の老舗、神金自転車のブランド。

  3. C.C.
    サイクリング・クラブの略。

  4. 無秩序集団
    ヘソ祭りに参加する団体はどこもきちんとヘソおどりを踊っていますが、 旅の途中の人々は踊りを知らないので基本的にはただブラブラと 歩いているだけです。

    ほとんどが汚いジーパン姿で、中にはミイラ男やインディアン花火男 (!?) などもいて、単なる仮装大会と勘違いしている人もいます。

    ときどき絶叫しながら暴走したりしますが、グループごとにちゃんと リーダーがいて取り仕切っているようで、国会議員などよりは よっぽど秩序正しいかもしれません。

  5. ハラに絵を書いた男ども
    女の人にはハラ絵はなく、浴衣で踊るので普通の盆踊りのような かんじです。


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