cource map2-1. 富良野はラベンダーの季節


1992-7-28 (火) はれときどきくもり [28度]



江部乙から山越えルートで赤平 (あかびら) へ 16 km。 多少の雲はあるけれどいい天気。アップダウンがきつい丘が繰り返し連なる 牧場地帯をぬけていきます。たまにおいかけてくるダンプが恐いけれど交通量自体が 少ないので眺め、走りともに楽しめます。

国道 38 号線に合流してからは日に照らされてかなり暑くなってきました。 芦別 (あしべつ) の天理教芦別分会場の門の前で 木陰に入って休みます。ここで江部乙の 例の八百屋でタダでもらった桃を食べると、中身が腐っています。モ〜。

芦別では町ぐるみで「北の京都」というコンセプトで巨大な観音像や仏塔などを 建てているようです。たしかにそういわれてよく見ると見かけますが、 その程度です。そういえば、芦別炭鉱が廃坑になるというニュースもあったし、 産業対策なのかなぁなどと考えつつ通り過ぎてゆきます。

しだいに坂が上り調子になり、日もギンギンと照りつけるようになるころ、 富良野 (ふらの) 手前の峠のようなところに着きます。 なんだかんだ言っても夏は やっぱり暑い。とりあえずひさしがあるレストランを見つけたので その下で休憩することにしました。

自転車をよく見るとダイナモ (ランプ用の発電器) のボルトが緩んでタイヤの サイドウォール (側面のゴム部) とこすれはじめていました。私が使っている 650B のタイヤはサイドウォールが薄いので摩擦は恐い。以前、岩の角に タイヤをひっかいて、しばらくしてからバースト (破裂) させたことがあります。 ダイナモのボルトを締めて、そこへやってきた札幌からきたという日帰りの スポルティーフ (軽装備のツーリング車) の人と言葉をかわします。

この人は滝川から上富良野に走り、花見をして輪行で帰るそうです。富良野の あたりはこの時期ラベンダーなどの花が咲く季節なのです。家から日帰りで 北海道をツーリングできるなんてうらやましい。

富良野につくころには強い真夏の陽射しのせいか、なぜかボロボロに疲れて しまいました。そういえばさきほどの札幌の方は日焼けしないようにと 長袖の白いシャツを着ていたなぁ。あー頭がぼーっとする。とりあえず 最初に見つけた A-COOP で買物をし、涼しそうな木陰が ある学校のようなところを見つけてすぐに自転車をとめました。

校庭の周囲をとりかこんでいる杉の木の濃い日陰の下でバナナとぶどうと パンをたべていると、なぜかやたらと車で乗り付けてくる人がいます。 タクシーでくる人もいるので同窓会かと思ったら、だれもかれもが校舎の まん前にある 5,6 m の石碑の前で記念撮影をしていきます。よく見ると、 「北海道中心標」とあります。

なるほど、さすが北海道のヘソを豪語する富良野だけのことはある。 と感心 (?) しつつ、あとから来たライダーの話を聞くと、彼は今晩からはじまる 「ヘソまつり」に友人と参加するためにこの富良野小学校にきたのだそうです。 ヘソまつりというのは毎年 7/28,29 に必ず開催されるお祭りで、 上半身ハダカになり、おなかに大きな顔を描いて踊るアレです。 このライダーは今年は秋田大と山形大の合同チームで出場するとか。 市内のおもな企業、団体が参加するが、季節がらキャンプ場やライダーハウスの 集団も参加するそうで、なかなかおもしろそうです。ヘソ踊りのための 小道具や腹絵の準備などのエントリー手続きが富良野小学校校庭で 各日 15:00 から行われ、18:00 からおどりがはじまります。


おなかにこういう絵をいっぱいに描いて踊ります

腹ごしらえがすむと、なぜかキャンピングのフル装備 のまま富良野ワイン工場の見学に行きます。う〜重い。

工場に着き、まずは適当な団体さんのあとにくっついて説明を聞いて まわります。酒樽が置いてある地下でひととおり 退屈な説明を聞き、2 階の試飲室にあがります。2 階の試飲室は誰でも 入れるようです。2 階の白いテーブルクロスをしいたテーブルには、 ちょうど団体さん用に用意されたよく冷えたキンキンのワインが並べてあり、 ありがたくいただきます。

窓の外には十勝岳 (とかちだけ) 。ふもとに広がる 富良野盆地。しかし、ツマミがない

それにしても富良野盆地をながめると濃い緑をしたタマネギ畑が圧倒的に広い。 実はこのとき タマネギ畑を長ネギ畑と勘違いしていたので、 「この広い畑の長ネギを全部手で抜くのか〜」とワイン片手に アセってました。


富良野ワイン工場のラベンダー園から十勝岳

工場の外に出て、ラベンダーの花畑 (5 分の 1 が刈り取り済) をながめた後、 自転車置場でクロスバイクの人に会いました。アルミの サイドキャリアというものを初めて見ましたが、この人には 帯広 (おびひろ) と襟裳岬 (えりもみさき) で再会するのでした。 レーサーパンツ、レーサージャージに おさげ (30 cm) がいい味をだして いたりします。富山大の寮長だそうです。

さ〜て、富良野でのキャンプ地には森林公園キャンプ場と鳥沼 (とりぬま) キャンプ場があるようです。どちらにしようか? きけば、

つ〜ことで、山を登らなくていいというだけで鳥沼にいくことにします。 午後 4 時に着いたわけですが、普通はこんな時間にキャンプ場に着いても テントは少ないものなのですが、ここはなんだかやたらとテントが多いです。 とりあえずキャンプシーズン真っ盛りだからテントが多いのは確かにわかりますが、 ドカシーをシッカと張りめぐらした、いかにも長期滞在型のテントが多い。 そうです、鳥沼キャンプ場は無料のため連泊者が多いことで有名だったのでした。 それから、テントが多いわりになぜか人が少ないのですが、これは長期滞在者が バイトに行ったり、テントを置いたまま別の場所に旅行 (?) にでかけている人が 多いからなのでした。なんだかおおらかな気分になってしまいます。

鳥沼キャンプ場の炊事場はたわし、まないた、洗剤などが揃っていて、 トイレも2ヶ所あり便利です。大きな木が多量に残っていて昼でもすごしやすく、 料金もタダ。キャンプ場内に車は1台もありません。自分のテントをたてていると かすかにギターの音が聞こえてきました。

テントを張り、ほっとひといき紅茶を飲んでいたら、隣のテントにいた 中学生3人組がなにやら相談をしにきました。 どこかのキャンパーに、「このキャンプ場ではおばけが出る」とおどかされた ようで、相当こわがっています。「かわいそうに」と思いつつ、どんなおばけが 出るかくわしく説明してあげるわたしなのでした。(そういう自分はおばけなんか 出るわけないと思っている)

そのまた隣のテントでは大急ぎで装備をパッキングしています。マウンテンで 来た関西の2人組です。急いでいるのでこれから夜の 12 時ごろまで走る そうです。なんともせわしないですが、事故のないようにと祈ります。

あとで気がついたのですが、このキャンプ場には女の子だけのグループなどが たくさんいて、自転車に乗っている人だけを見ると女の子の方が男よりもやや 多いようです。ラベンダーの季節のせいでしょうか。


こういうバイクでツーリングしている人もたくさんいます。 (鳥沼キャンプ場)

おもしろかったのは、炊事場の近くでみかけた 7、8 人の 学生風の女の子グループです。 最初にみかけたとき、炊事場のすぐ脇の地面の上で円陣を組んでしゃがみ こんで炊事をしていました。 鳥沼キャンプ場はキャンパーが多く、炊事場の周辺は人通りが多いのですが、 そんな中、彼女らは食事ぐらいは自分たちのテントのそばでとるかと 思っていました。ところが彼女らは食事、皿拭きの後片付けまで全部 炊事場の横でしゃがんですませているのでした。他のキャンプ場では なかなか見かけない光景だけにちょっとびっくりしました。

夜はふけて暗くなったころ、たき火ができる広場があるのですが、そこに 髪を金髪に染めて皮ジャンにチェーンぢゃらぢゃらのおにーさん が 2 人並んですわっていて誰も寄り付いていなかったのが 少しさみしかったかもしれません。

というわけで富良野の鳥沼キャンプ場にはいろいろな人がいるのでした。


  1. A-COOP (エーコープ)
    北海道の農協 (生協 ?) はなぜかたいていこの名前。 釧路で市民生協というのをみました。

  2. キャンピングのフル装備
    申し送れましたが私は自転車にテントや炊事道具を積み込み、 キャンプをしながら自転車旅行を しています。このキャンプ用の装備は自転車とは別に、だいたい 10 Kg ぐらいあります。

  3. (試飲で) つまみがない
    つまみもあるのはニッカの余市 (よいち) 駅前工場。

  4. タマネギ畑を長ネギ畑と ...
    収穫するころにはタマネギの頭が地面の上に顔を出すのですが、 それまでは葉っぱしか見えないので長ネギと勘違いしていました。

  5. クロスバイク
    オフロードをレースするための自転車で、通常のツーリング向け タイヤにブロック状のトレッドパターンをつけたようなタイヤを 使用する。ドロップハンドルを使用するなど、ある程度固められた 道を高速で走ることを想定しており、MTB とは異なる。北海道の ように一部でダートが現れるようなところでは MTB よりも 軽量軽快で便利。

  6. サイドキャリア
    自転車の側面に荷物をとりつけるための骨組み (キャリア)。 通常再度キャリアにはキャンプ用装備を積み込む。アルミ製は 軽量だが一般的にもろい。通常は鉄だが、鉄製のキャリアは重い。

  7. レーサーパンツ、レーサージャージ
    ケイリンやツール・ド・フランスのような自転車レースで 選手が着ているウェア。太ももを覆うフェルトっぽいパンツと どハデなジャージ。

  8. ドカシー (ドカシート)
    工事用の青や緑のプラスチック製シートのこと。

  9. 学生風の女の子グループ
    上富良野 (かみふらの) で聞いたところでは 時期と人数から静岡大 C.C. らしいです。

  10. チェーンぢゃらぢゃらのおにーさん
    ちょうど道内でハーレーダビッドソンのバイク愛好者が集まる イベントがあったそうです。アメリカンバイクで元気にダートを走っている 人もいました。元気です。


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